5年ぶりに横浜に戻った男が決めた。3勝2敗で迎えた日本シリーズ第6戦。筒香嘉智外野手(32)が2回に先制ソロを放つと、5回2死満塁では走者一掃の3点適時二塁打。2安打4打点で、13安打で11点を奪った打線をけん引した。貯金42のパ王者ソフトバンクを圧倒し、貯金2、リーグ3位からの下克上物語を完結させた。最高殊勲選手(MVP)には3安打3打点で、日本シリーズ新記録となる5試合連続打点をマークした桑原将志外野手(31)が輝いた。

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筒香が横浜の歓喜を心から味わった。アメリカでの5年間、日々勝負の連続だった。「この打席、打てなければクビかもしれない」。マイナーや独立リーグでは環境も日本とは大違い。日本食が食べたくても、ナイター後は店じまいが早くて間に合わない。昼にうどんを買って温かい汁をちょっとだけすすり、試合後に冷えたうどんを食べた。日本の味だけで十分だった。

忘れられない記憶を上書きした。13年前、11年10月18日、横浜スタジアムの中日戦。リーグ優勝を目の前で決められた試合だった。延長10回、投手浅尾、捕手は谷繁。筒香がワンバウンドした低めボール球を空振りして試合が終わった。「谷繁さんにタッチされて試合終了。打席から中日の選手たちが大喜びでマウンドに集まってくる、あの景色は忘れられない。あれをみると、やっぱりそれをしたいなと思いました」。13年の時を超え、日本一の歓喜の輪を体の芯から味わった。悔しい思いは数え切れない。だから、ここ一番で輝ける。【DeNA担当 小早川宗一郎】

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