後輩たちよ、勝つことは簡単ではない-。巨人が楽天に敗れ、今季ワースト5連敗に沈んだ。長嶋茂雄終身名誉監督が3日に89歳で死去してから初となる、東京ドームの試合で弔い星を届けることができなかった。先発赤星が7回途中1失点と好投も、打線が散発4安打で今季6度目の完封負け。ユニホームの左胸に「3」をしるして戦った阿部慎之助監督(46)は「『ひとつ勝つのは難しいよ』と言ってくださっているのかもしれない」と戒めた。
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天を仰いだ。巨人打線が沈黙を続けた。楽天の先発ハワードに7回まで4安打無得点。相手の勝ちパターンに手も足も出なかった。交流戦3戦3敗で今季ワーストの5連敗。阿部監督は「みんな必死に勝とうと思ってやっている。どう自分をコントロールして、打てないイコール技術がないんだけど、今いる戦力でやらないといけない」と言った。
未来を担うであろう“若い力”がもがいている。26歳の泉口は4打数1安打も、23歳中山、24歳増田陸、門脇、25歳リチャードはいずれも無安打。指揮官は「そこを何とか打破してつなぐ気持ちを持ってやるしかないのかなと。何とかできるものだったらしてあげたいけど。フィールドに立つのは選手たちだから」。必死に食らいつこうとするもことごとく凡退した。
試合前には長嶋さんの追悼セレモニーが行われ、特別映像が映し出された。ユニホームの左胸には「3」を刻み戦った。いかなるときでも勝負にこだわり、勝利への執念を持ち続けたミスターだけに、阿部監督は「『1つ勝つのは難しいよ』と言ってくださっているのかもしれないですよね」と受け止め「そう思って、やります」と前を向いた。
東京ドームで「長嶋監督」として最後のユニホーム姿は01年9月30日だった。辞任決定後のラストゲーム。試合後のマウンド上からミスターは「チームは六十有余年にわたる栄光を重ねながら、来季から若い世代の人たちのパワーに託します。わがチームは若い指揮者の下、1世紀に向けてまい進します。これからもわが巨人軍を愛し、球界の発展のためご支援賜りたく存じます」とファンに伝えた。
未来を託された後輩たちが奮起するときを待つ。【為田聡史】
◆長嶋茂雄氏と東京ドーム 東京ドームは88年に開場。長嶋氏は巨人監督として93~01年の第2次政権時に本拠地として使い、優勝の胴上げはリーグで1度、日本シリーズで2度経験。94年西武との日本シリーズ第6戦では槙原が完投し、監督として初の日本一。00年9月24日中日戦では4点リードされた9回裏に江藤の満塁弾、二岡のサヨナラ弾で劇的リーグV。同年、王監督のダイエーとの「ONシリーズ」では、連敗スタートから4連勝して2度目の日本一。01年9月30日横浜戦後の退任セレモニーで巨人のユニホームに別れを告げた。
13年5月5日広島戦の前には国民栄誉賞表彰式が行われ、ともに受賞した松井秀喜氏との始球式では松井氏の投球を空振り。今年3月15日には巨人-ドジャースのプレシーズンゲームを訪れ、試合後にドジャース大谷がインスタグラムで2ショット写真を公開した。



