2位日本ハムが、伏兵の3発で首位ソフトバンクとの直接対決を制した。新庄剛志監督(53)が114日ぶりに1軍へ呼び戻して「2番中堅」で即スタメン起用した今川優馬外野手(28)が、3年ぶりのアーチを含む3打点と大暴れ。指揮官が試合中に助言を送ったルーキー山県もプロ初の1試合2本塁打をマークし、難敵モイネロを攻略した。連敗を3で止め、ゲーム差も「3」に縮めた大きな1勝を逆転Vへの起点とする。

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新庄監督が満を持して1軍へ呼び戻した道産子スラッガーに、覚悟を求めた。2番中堅でスタメン起用した今川が1回に空振り三振を喫した直後。「迷ったら、代えるからね」。そのひと言を胸に、今川は再びモイネロに挑んだ。3点を追う2回無死二塁の場面。144キロのカットボールを迷いなく振り切って、左翼線へ適時二塁打。これが今季初打点。劣勢の展開をはね返す起点となった。

114日ぶりに再昇格した今川は、常に心の準備をしていた。ファームでは打率4割1分4厘、7本塁打、28打点と好成績をキープ。それでも1軍に呼ばれない中で「僕が最後、優勝へのラストピースだと思って鎌ケ谷でやってきた」と自らを奮い立たせていた。

昇格の吉報は、札幌の自宅に帰省していた8日に受け取った。「買い物をしてたらマネジャーから電話かかってきて『お、マジか』みたいな」と喜びと驚きもありながら、2軍のある千葉・鎌ケ谷へ戻らず北海道に“残留”。「このタイミングで昇格したことは、すごく意味があることだと思っている」。新庄監督を始め、チーム全体の期待に応えるように5回には3年ぶりのアーチも放った。

指揮官は、ルーキー山県にも試合中に助言を与えていた。

1点を追う4回。打席へ向かう前の山県に、何かをささやいた。「内容は企業秘密です」とベールに包んだ山県は、左翼へ同点2号ソロ。さらに6回にも3号2ランと2打席連発で期待に応えた。

新庄監督は試合後「八木さんが心配なので今日は(取材対応は)なし。あとは活躍した選手に聞いてあげて」とコメント対応。8回の守備中、ソフトバンク近藤の折れたバットが左側頭部に直撃した八木打撃コーチを気にかけた。同コーチは札幌市内の病院で検査を受ける予定だが意識はあり、会話できる状態だという。

心配ごとはあるが、負けられない試合は制した。新庄監督が築いた勝てる集団には、まだ底力がある。首位ソフトバンクに十分、インパクトを与える1勝となった。【木下大輔】

【動画】日本ハム今川優馬が逆転弾 4か月ぶりの一軍昇格で22年以来の今季第1号