“剛志チョイス”がまた当たった。2位日本ハムは西武に逆転勝ちで3連勝。首位ソフトバンクとのゲーム差2・5をキープした。6月10日ヤクルト戦以来3カ月ぶりにスタメン起用の浅間大基外野手(29)が3点リードの6回2死一、三塁で試合を決める左越え3ラン。9日に抜てきし5戦2発5打点、打率4割超えと爆発した今川優馬外野手(28)が負傷離脱も、今度は代役の浅間が起爆剤となり、勝利を引き寄せた。

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新庄監督の読みは、またも的中した。6回、先頭レイエスのソロで追い付くと、1死満塁、相手守備の乱れをついて2点を勝ち越した。2死一、三塁から水谷の内野安打で3点リードすると、この日昇格したばかりの浅間のバットが火を噴いた。「感触はかなりよかったんで。もしかしたら行くんじゃないかと」。2ボールから西武2番手黒木の148キロ直球を、左翼ポール際に、放り込んだ。

球団を通じ出されたコメントは「執念」。右ハムストリングス筋損傷で、自身と入れ替わりで離脱した同学年今川の代名詞を用い、喜びを表現した。浅間は「同級生の優馬がけがして、入れ替わりで(1軍に)上がってきた。先に上がって頑張っていた優馬の執念を継いで頑張ろうと思った」。この日の試合前、ロッカールームで今川に「何してるんだよ」と突っ込むと「頑張って」と笑顔で返された。3カ月間の2軍暮らしの鬱憤(うっぷん)と、戦えなくなった仲間の悔しさを背負っての一撃だった。

この代役抜てきの裏には、指揮官の“メモリアルメモリー”が絡んでいた。9日に4カ月ぶりに1軍昇格させた今川が5戦18打数8安打、打率4割4分4厘と打線けん引も、14日に負傷離脱。今度は今川と同じ2番で起用した浅間が2安打3打点と気を吐いた。新庄監督は「2022年3月31日、僕が監督として初めて勝った試合で浅間君が(西武先発)与座君からホームランを打っていたので、今日もやってくれることはわかっていた!」とコメント対応した。

浅間の1発は黒木からだったが、初回の第1打席では与座から左前打を放ち、スイッチが入った。監督が3年半前の1発を覚えてくれていたことに、浅間は「なんか、うれしいっす」。独特なひらめきと、勝利の記憶を織りまぜながら、新庄監督が逆転優勝へのシナリオを、完成させていく。【永野高輔】