日本ハムからトレードで加入した伏見寅威捕手(35)がデビュー戦で大仕事をした。

高橋の5年ぶりの完封がかかった9回。リードは2点。1死一、二塁のピンチで4番ダルベック内野手(30)は三ゴロ。なおも2死二、三塁で打者岸田。引き続き、1発だけは避けなければならない。逆に本塁打以外なら長打でも単打でも同点どまりだ。

伏見は色気を出さず「現実」を見ていた。サヨナラさえ回避すればまだ勝つチャンスは残る。うまく当てられても同点だ。最悪、延長でも仕方ないと考えていた。「まずはチームが勝つことなので。同点になっても次の回に点が入るかもしれない。ちょっと先を見ながら。自分の中であそこのチョイスは落ち球(ツーシーム)だったなと」。

直球2球で追い込んでからはツーシームを連続で要求した。3球目からの5球のうち4球がツーシーム。最後7球目、低く沈んだ142キロで空振り。その場でこぶしを握った。「特別な試合だって自分に言い聞かせていて、すごく緊張感のある中で野球ができました。今日の勝ちは、個人的にも大きいし、チームとしても大きいかなと思っています」。初めてセ・リーグに戦いの場を移したベテランが胸を張った。【柏原誠】