巨人が投打がかみ合って7連勝を飾り、首位ヤクルトに1・5ゲーム差に迫った。7連勝は阿部慎之助監督(47)では、就任初年度の24年以来2季ぶりの最長タイ記録となった。今季3度目の先発となった戸郷翔征投手(26)が7回115球を投げて、5安打無失点で今季初勝利を挙げた。

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壁は誰にでも訪れる。プロ野球選手も会社員も。違いはそれが目に見えるか、見えないか。戸郷は言う。

「壁なんて野球選手だけじゃないですから。一般の人でも訪れる。僕らは結果という形で目に見える壁だけど、世の中の人は目に見えない壁を過ごしてると思います」

戸郷は今、紛れもなく苦しい時期の真っただ中にいる。プロ野球選手はそれを隠せない。最速○キロ、○回KO、防御率○点。分かりやすい数字で切り取られ、評価され、時には批判もされる。それでも「コントロールできないことは気にしない」と言い切る。自分に厳しいと言えばそうだし、高いハードルを課しているとも言える。「結果を出せば何も言われないわけだし、そこまでの選手にならなきゃいけない。惑わされて、球速とかだけにフォーカスするのは僕は違うと思います」。向き合うべきは他人の声ではなく、自分の投球。その姿勢を貫いてきた。

だからこそ、1軍のマウンドに立てる意味も誰より理解している。「僕らは趣味の延長線で野球が仕事になって、お金をもらう立場になった。だからこそ、また改めてプロ野球の1軍で戦えるのは、すごく幸せなことなんだなと思えてます」。喜びをかみしめながら粘り続けたマウンドで何よりも欲しかった今季初勝利。もがき続けた時間ごと、戸郷翔征という投手を形作っている。【小早川宗一郎】