<西武3-1日本ハム>◇25日◇ベルーナドーム
その動向を全て追える人がいないほど、西武仲田慶介内野手(27)は練習に練習を重ねてきた。西武ファンの熱に包まれるようものなら、お立ち台で泣くのも当たり前だ。
「苦しい時間がすごく多かったので、それが全部よみがえってきて。お立ち台に上がることを目標に頑張ってきたんで、ちょっとこらえきれなかったです…」
23日、仙台の夜に2安打。「野球人生をかけて」「死に物狂いで」…そんなフレーズを並べた時も、花火に照らされた目に少しばかりの潤みがあるようにさえ見えた。仲田の苦労は、仲田にしか分からない。
誰よりも練習してきた…と簡単に活字にできるほどの練習量と熱量ではない。でも仲田にとっては練習は「苦労」ではない。練習が好きだから、野球が好きだから練習してきただけ。後悔したくない-、とかいうわけでもない。
「いや、僕にとってはそれが当たり前なので」
この春、侍のサポートメンバーに選ばれた。印象的な活躍もした。しかし、その裏では。
「チームの練習終わったら、コーチの方々が手伝ってくれて。名古屋の試合の時は、休みの日は所沢に帰ってきて、室内練習場のはじっこでティー打撃やったり、バッティングセンターに行ったり」
プロ野球選手であるうちしかできないことを、プロとして一生懸命やる。その全てが報われない世界と知っていても、やれるところまで突き詰める。
全力で向き合わないことや斜に構えることが“かっこいい”とされることも多々ある日本社会で、仲田慶介の生きざまがやっと形になって、認めてくれる人たちの前で熱く泣いた。これこそが、かっこいい。【金子真仁】



