「言葉で表現するなら、どういう人ですか?」。中島宏之氏(44)に引退試合を迎えた西武栗山巧外野手(42)について聞くと「かっこいい。漢(おとこ)の中の漢やね」と笑顔で話した。2012年から2年間、西武担当で栗山を取材した中で同じようなイメージを持ったが、最も印象に残るのは、2016年6月9日の巨人戦で山口鉄也から左腕に死球を受けた後のやり取りだった。

試合後、検査を受けた栗山の状態を心配する山口からの謝罪の言葉を伝えると、栗山はニヤリと笑った。「全然、大丈夫やから。よけられへんかった自分も悪いし、次も気にせんと投げてきてくれって。山口には『スーパーピッチャーやけど、次はシュートをスタンドに運ぶから』って言うといて」と山口を気遣って、冗談を交えながら話した。漢気の中にある懐の深さと打者の矜持(きょうじ)を感じた瞬間だった。【久保賢吾】

◆栗山巧(くりやま・たくみ)1983年(昭58)9月3日、兵庫県生まれ。育英から01年ドラフト4巡目で西武入団。04年9月24日近鉄戦で初出場。07年から外野のレギュラーに定着。08年はリーグ最多安打を放ち、チームの日本一に貢献。21年に球団生え抜きでは初の通算2000安打達成。ベストナイン4度、ゴールデングラブ賞1度。177センチ、85キロ。右投げ左打ち。