西武長谷川信哉外野手(24)の表情は分かりやすく「ホッ」だった。「9月、初ヒットです」。9月、24打席目の初安打だった。
ロッテ高野脩に対して犠打、二ゴロ併殺打で迎えた第3打席、粘って粘ってフルカウントからコンパクトに、一、二塁間を割った。
「結果的にはまっすぐを打ったんですけど、どうしてもあのフォークがあるので頭に入れながら」
その後、敵失で4点目のホームを踏んでいる。試合展開的に長谷川のヒットは大きかった。「気持ち的にも楽になりましたし、チーム展開的にも」。貢献できたこともうれしい。
左手骨折から復帰し、8月30日には栗山の現役最終安打の展開を引き出す本塁打も打った。しかし直後の9月1日、3三振。ロッテ高野脩にひねられた。
「我慢して我慢して。ぎりぎりまで見るくらいのイメージで」
9月1日は試合前にそう話していたが、意識とは裏腹に、第1打席から低めフォークにタイミングを崩された。6日までの4試合で17打席で0安打8三振。その後、インフルエンザで離脱。「39・2度まで行きました…」。踏んだり蹴ったりの状況だった。
この日も最初はなかなか合わせられなかった。「むずいっすね。リリースが高いし、縦回転というか、直球もフォークも見極めが難しくて」。そんな中でじっくり観察し、見極めて、とにかく食らいつく。大味でなく、突き詰めたような打席でようやく「H」ランプがともった。
「大事な試合が続いて、チームの軸として3番や5番に入ることが多くて、打たないといけない中でずっと打てなくて、どうしても焦りがあって空回りも」
交流戦MVPに輝いたとはいえ、主軸の座を確立することは簡単なことではない。夏を終えてもいろいろもがきながら、でも最後はやっぱり笑いたい。
「点につながる安打や四球、チームバッティングをできたら、もっともっと良くなると思います」
必死に食らいついた夜が、一つのきっかけになるか。ここから長谷川が上向けば、戦況もだいぶ変わってくる。【金子真仁】



