プロ野球ロッテは29日、球団OBで「ヒットマシン」の異名を誇った好打者、榎本喜八さんが14日に75歳で死去したと発表した。

 榎本さんは首位打者に2度輝き、最多安打を4度マークするなど通算2314安打を放った。31歳229日での2000安打到達は、日本のプロ野球で達成した38人の中では最速となっている。

 1960年にパ・リーグを制した大毎(現ロッテ)の「ミサイル打線」で主軸を担った。同年はリーグの打率上位10人のうち4人を占め、故田宮謙次郎氏や故山内一弘氏らが並んだ強力打線だった。

 早実から55年に入団。春季キャンプから新人らしからぬ打撃で定位置をつかみ、ルーキーながら開幕戦に「5番・一塁」で先発出場を果たした。この年、打率2割9分8厘で新人王にも輝いた。

 打撃は王貞治ソフトバンク球団会長に1本足打法を伝授したことで知られる荒川博氏の下で培った。王会長は「(高校の)4つ上の先輩で荒川道場では一緒に練習をさせていただきました。プロの厳しさを目の当たりにして、すごい世界に入ったと思いました」と思い出を語った。