宮崎市総合運動公園で行われている巨人選手合同自主トレ3日目の29日、WBC1次候補の山口鉄也投手(25)が、座った捕手相手に47球の本格的な投球を行った。元来ボールが微妙に動くタイプ。空気抵抗が大きいとされるWBC使用球を味方に、シュート、チェンジアップを鋭く操った。強心臓で鳴らす捕手鶴岡が「マスクなしでは怖い」と待ったをかけた変化。「左キラー」が本番でも威力を発揮する。

 チェンジアップは、シーズン中より鋭く曲がり落ちた。ナチュラルにシュート回転する直球も軌道が大きく破壊力十分。捕手鶴岡を「怖いよ、左バッターは」とうならせた。山口は「(コースを)狙いすぎたらダメ。腕を思い切り振ることが大切」。小手先でなく、巨人で磨いたスタイルで勝負する。「シュートはいい感じだったし、チェンジアップも良く落ちた。徐々に慣らしていきたい」。中継ぎ専門の変則左腕。サムライジャパンの秘密兵器が、世界の強打者の懐をえぐる。

 [2009年1月30日9時50分

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