巨人のドラフト1位大田泰示内野手(18=東海大相模)が2日、30スイングのフリー打撃で連発を含む4本のさく越えを放ち初日の内容を上回った。約8時間のハード練習も「多少は慣れました。慣れてくれば、いい形になるのでは。練習は奥が深い」と緊張が抜け、周囲が見えてきた。午前中に宮崎市内で行われたWBCスタッフ会議から直行し連日動きをチェックした原辰徳監督(50)も「本来のものが出始めた」と納得。硬さが取れた「55」が暴れ出した。
脱力してバットを振れば、内角やや高めの絶好球は気持ち良く伸びていった。大田は2日目のフリー打撃で「力を抜いて打とう」と決めていた。前日と違い上体が突っ込まず、マスコットバットがスムーズに回る。「ライナー性じゃないとダメ。高いホームランはいい形じゃないです」と納得いかなくとも、ラスト30スイング目は左中間ネット最上部に到達する130メートル弾。連発を含む30スイング中4発で、数字も内容も初日に勝った。
背番号「55」も人の子だった。緊張が解け地に足がついた。「周囲もちょっとだけ見えた。慣れればいい形になるのでは」。三塁ノックで汚れたユニホームで笑った。右ポケットには「くちびるの渇きがすごいんで」とリップクリームを忍ばせた。強い海風で空気が乾く2月の宮崎。多くの選手が携帯する必需品だ。口元を気にせずに、大きな声も笑顔も出た。
落ち着いてメニューをこなし、気付いたことがあった。守備では勝呂コーチが捕球、送球の基礎を徹底。ロングティーでは「ボールを乗せ、バットをしならせて打つため」と、岸川コーチの指導でノックバットを使った。「深いな、と思った。1つ1つが難しい。これまで簡単と思っていたけど、野球は難しい。理解を体の動作に移せるか」。プロ野球の奥深さの入り口に立てたことが、一番の収穫だった。
原監督にもそんな大田が頼もしく映った。ノックは前後左右から凝視。フリー打撃は真後ろでなく横に立ち、大田の視界に自身を入れた。くまなく洞察し「昨日は緊張してたんだ。バッティングは本来のものが出始めている」と安心した。大田は「監督にノックを見られているのは知ってましたけど。取るのに必死で」。打球同様の大きな成長曲線を描く。【宮下敬至】
[2009年2月3日8時38分
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