火消し役を、燃え尽き症候群から救出する!

 WBC日本代表のソフトバンク馬原孝浩投手(27)に、帰国後「特別面談」が用意されている事が分かった。福岡ヤフードームで全体練習が行われた19日、高山投手コーチが「うちの抑えは馬原しか考えていません」と、あらためて絶対的な守護神であると明言。例年のようにオープン戦での調整ができないことにも「(WBCの)あんなに集中できる状況で投げられているというだけで十分。状態もいいと聞いている」と、開幕から起用する方針を示した。

 ただし、馬原に全面的な信頼をおく同コーチも1つだけ心配事がある。「ひとつの大きな大会が終わったりした後では、誰でも燃え尽き症候群みたいなものになる。そこを(馬原が)帰ってきたらしっかり話したい」。守護神の帰国後、心のケアをする個別面談を開くプランを明かした。

 昨季、右肩炎症の影響で馬原の1軍初登板は7月27日。王監督の退任の際には「成績不振で身を引かれるなら、開幕から1軍におれず責任を感じます」と話した。それだけに、本人にとっても開幕から1年間フル稼働することは今季最大の課題。昨年12月に和田と山道100キロ走、1月に熊本県内で精神修行の護摩行に臨んだのも、すべてそのためだ。

 WBCでは第1ラウンドから3試合に登板し失点0。決勝戦まで進出すれば、帰国は25日の見込みで、1週間ほどでリーグは開幕する。高山コーチが、馬原の心をWBCの余韻から一気にペナントレースへと向けさせる、魔法の言葉を投げかける。【倉成孝史】

 [2009年3月20日9時23分

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