これがジョー流の育成方法だ。阪神に新加入した城島健司捕手(33)が、ドラフト1位二神一人投手(22=法大)に最大級の賛辞を贈った。沖縄・宜野座キャンプ2日目の2日、ブルペンで黄金ルーキーの投球を受けた。「大学生には打てんばい」と話し、マリナーズ時代に組んだドラフト1巡目の投手よりも実力が上と評価した。アグレッシブな姿勢が城島スタイルだが、ほめて若手を育てる持ち味も披露。投手陣の底上げにも貢献する。

 城島が、ふらりとホームベースに近づいた。既に福原、久保田、岩田で合計162球を受けていた。その上で4人目としてルーキー二神と向き合った。立ち投げの途中でブルペン捕手と交代して7球。その後に座って、ミットを構えた。

 ドラフト1位ルーキーとの競演。2球目の直球に「ナイスボール」と第一声。29球目に直球が抜けると「いい抜け球だあ」とジョークを飛ばして、新人をリラックスさせた。逆に31球目はミットの音が鳴らずに「ごめん、ごめん。いい球だ」と素直に言葉をかけた。66球中18球をほめて、最後は歩み寄って、言葉を交わした。

 城島

 大学生には打てんばい。コントロールがぶれない。面白い投手。あの子をルーキーだと知らなくても、見ていたらこのピッチャーを受けたいなと思う。試合であのピッチングができれば、十分に勝てる。

 メジャーリーグで成功した男が最大級の賛辞だ。さらにマリナーズ時代にコンビを組んだ07年1巡目フィリップ・オーモント投手を引き合いにして「(その選手に)比べてもきちっとまとまっている」と評価した。

 アグレッシブな言動が持ち味の城島だが、強気一辺倒ではない。捕手として投手を育てることにもたけている。ダイエー、ソフトバンク時代は杉内、斉藤、和田、馬原らを「城島チルドレン」として、一流投手に成長させた。「投手が投げてくれないとゲームは始まらない」が口癖だけに信頼関係を重視。この日は4投手を相手に1時間10分、合計228球を捕球。プロテクターを外すと「ブルペン、長え~」と笑ったが、どんな投手に対しても真剣にほめて、謝り、アドバイスを送った。それは22歳のルーキー相手でも同じだった。

 城島スタイルは捕球姿勢にも表れた。この日は日本では珍しいサングラスをつけたままマスクをかぶった。「デーゲームはあれをしないとまぶしい。打つのも問題ないと思うし(今年は)打席でもしようかなと。キャンプで試していく」。今年は打席でも守備でもサングラス・ジョーになる。

 投手1人1人への忠告、サングラス姿、そして新人を育てる姿勢。城島が大きな存在感でブルペンを活気づかせている。賛辞を送った二神に対しても「実際にゲームにならないとわからない部分はあるよ」とも言った。ほめるだけでも、しかるだけでもない。ジョーが硬軟を使い分けて、虎投を引っ張る。

 [2010年2月3日11時38分

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