<ロッテ3-2楽天>◇1日◇千葉マリン

 新生西村ロッテが記録的な開幕ダッシュだ。本拠地千葉マリンスタジアムで楽天に1点差で競り勝ち、1969年以来41年ぶりとなる開幕からの3カード連続勝ち越しを達成。オリックスを戦力外となった川越英隆投手(36)が5回2失点で2年ぶりの勝利を飾った。ルーキー、新外国人、移籍組などの新戦力がチームに機能し、昨年までとはひと味もふた味も違う印象を見せつけた。

 新生ロッテの快進撃が止まらない。9回2死二、三塁のピンチを招いた守護神小林が鉄平を見逃し三振で仕留めると、右翼席は「西村ダンス」で勝利を祝福した。日本一になった05年の再現のような盛り上がりに沸いた。西村監督は「41年ぶり?

 そうなんですか。そのへんは僕には関係ない。1戦1戦頑張るだけです」と、ロケットスタートにも冷静だった。

 記念すべき一戦でウイニングボールを手にしたのは、オリックスからテスト入団で移籍した川越だった。移籍後初先発で5回を7安打2失点に抑え、先発では08年3月30日のロッテ戦以来2年ぶりとなる白星。お立ち台では「去年、戦力外通告を受けて野球が出来るか分からない中、ロッテに拾ってもらった。今年1年、恩返ししたい気持ちで精いっぱい投げます」と、ファンに決意表明した。

 昨年11月の入団テストで合格した際、フロントは「中継ぎになるだろう」と話していた。だが、2月の石垣島キャンプで川越が西村監督に先発を直訴。食事会の席で、酒に弱い男が「一気飲みしたら先発にしてください」と決死のお願いをし、無理して芋焼酎のお湯割りを一気飲み。その心意気と、オープン戦2試合で5回無失点の安定感で、「経験が一番大きい」(同監督)と、先発ローテーション最後の6番目に抜てきされた。

 オリックス時代に3年連続開幕投手になった栄光も、プロ11年目の昨オフは戦力外通告という地獄も味わった。この日は最大風速13メートルの強風下、変化球の制球に苦しみながらも大崩れはしなかった。楽天野村克也前監督がヤクルト監督時代に小早川、田畑ら戦力外となった選手を起用して、優勝した「野村再生工場」ばりの起用が的中した。

 打線もワンチャンスでひっくり返した。逆転勝利はこれで4試合目。2点を追う4回、里崎の適時二塁打で勝ち越した。里崎は「先制されても1点ずつ返していくのが今年のロッテ野球。川越さんが移籍後初登板だったので何とか援護したかった」と、勢いよく話した。

 41年前は「ミスターロッテ」有藤、天才・榎本、アルトマンらが名を連ねた。偶然にも、有藤氏の愛弟子である西村監督が、歳月を経て偉大な記録に立ち会った。2位ながらスタートダッシュに成功し、2日からは首位オリックス戦。3連勝か2勝1分けなら、07年以来3年ぶりの単独首位に立つ。西村監督は「挑戦者ですからみんなで1つになって頑張るだけです」と、いつもと同じセリフを繰り返した。「春の珍事」では終わらせない。5年ぶりに熱パの主役になる決意がにじんでいた。【鳥谷越直子】

 [2010年4月2日8時32分

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