<巨人7-9阪神>◇13日◇東京ドーム

 首位巨人が悪夢の大逆転負けを喫した。3回までに6-0とリードしたが、先発の藤井秀悟投手(32)が阪神鳥谷、新井に1発を浴びて6回途中でKOされた。中継ぎの久保、豊田、金刃も1発を打たれて今季2度目の3連勝を逃した。打線は不振の亀井が今季1号を放つなど初のマルチ安打をマークするなど復調気配で、先発から中継ぎに戻る山口の戦列復帰が待たれる。

 巨人にとっては、悪夢の夜になった。「伝統の一戦」で6点差をひっくり返される大逆転負けは、34年ぶりで本拠地では初の屈辱。会見場に現れた原監督は「見ての通りだね。6回以降に9点も取られて勝つのは非常に難しいということ。敗因の分かりやすいゲームだったと思う」と、さばさばと振り返った。厳しい表現は控えたものの、激しい怒りを抑えているかのような強い口調だった。

 打線は苦手としている阪神能見の立ち上がりを見事に攻略し、3回までに6-0とリードした。先発藤井も5回まで3安打無失点と好投し、移籍後初白星の権利を手にしていた。序盤は今季最高と言ってもいい展開だったが、6回表に風向きはガラリと変わった。藤井が、鳥谷と新井に本塁打を浴びて3点を失い、1死を取っただけで降板した。

 要所で手痛い本塁打を浴びて敗戦投手となった1週間前の甲子園での阪神戦に続く“1発病”に、藤井は「単調な投球になってしまいました」と肩を落とした。2番手の久保はブラゼルに2ランを浴びてこの回5失点。2点リードで迎えた8回には、3番手の豊田が桜井に逆転3ランを、4番手の金刃もマートンにソロを浴びた。

 粘り強さが身上の藤井が投げ急ぎ、リリーフ陣はいずれも高めに浮いたファーストストライクをスタンドに運ばれた。5被弾で9失点。本塁打が出やすい東京ドームをホームグラウンドにするチームにしては、あまりに不用意な投球が続いた。原監督は「こういうゲームは2度としない、ということ」と、語気を強めた。チーム打率は12球団トップの2割9分8厘も、チーム防御率はリーグ5位の4・29。どんなに打線が強力でも、この日の投手陣はカバーできない。【広瀬雷太】

 [2010年4月14日9時37分

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