<阪神9-4巨人>◇1日◇甲子園

 土俵際まで追い込みながら「もう一押し」ができなかった。巨人打線が2度の絶好機で沈黙し、伝統の一戦で連敗した。最初は3回1死満塁の場面。4月だけでグランドスラム2発と満塁にはめっぽう強い4番ラミレスが、高めのつり球に手を出して空振り三振。5番阿部も左飛で無得点に終わった。5点を追う6回には2点を返してなおも無死満塁と攻め込んだが、坂本、脇谷、小笠原が凡退。ホームベースが遠く、残塁の数ばかりが増えていった。

 投手陣もふがいなかった。先発オビスポは強気に内角を攻めきれず、外角一辺倒になった配球を狙われ3回5失点で降板した。2番手星野、3番手小林も、味方が得点した直後に失点し反撃の士気をしぼませた。原辰徳監督(51)は「今日は全体的な内容として反省すべきプレーが多かった。こういう試合は2度としない、ということです」と語気を強めた。

 順風満帆だった巨人が、正念場を迎えた。2日も敗れるようなら、2年ぶりの同一カード3連戦3連敗で、首位陥落となる。無安打2三振の小笠原は、珍しく感情むき出しの口調で「3つとも負けるわけにはいかない。明日は投手陣を援護したい」と、ギラギラした目で雪辱を誓った。【広瀬雷太】

 [2010年5月2日8時47分

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