<巨人4-10楽天>◇6日◇東京ドーム

 絶好調で東京ドームに乗り込んだ楽天が、巨人のお株を奪う本塁打攻勢で完勝した。中村紀洋内野手(36)の初回先制2ランを皮切りに、8回、新外国人ランディー・ルイーズ内野手(32=ブルージェイズ)の2試合連続代打2ランまで、球団新記録となる6本のアーチを敵地でかけた。投げては先発田中将大投手(21)が7回3失点で、ハーラートップタイの8勝目。チームは3連勝で借金1とし、初タイトルとなる交流戦Vも視界に入った。

 迎える仲間のハイタッチに合わせ、山崎武司内野手(41)は人懐こい笑顔で「狭い、狭い、狭い、狭い!」と連呼していた。同点の6回2死、決勝の13号ソロはこの日チームが放った3本目の本塁打だったが、終わってみれば球団新記録への折り返し地点だった。両翼が101メートルを超える本拠地Kスタから乗り込めば、東京ドームは箱庭状態。6本の合計飛距離695メートルという超ビッグドライブで、巨人のお株を奪った。

 日本一の強力打線を率いる敵将・原監督をうならせた重厚な打線だ。試合前から「楽天は今、打線がいい。ウチはバンバンバン、って打っても後が続かなかったりして、分かりやすいんだけど。ノリと山崎が怖いよ」と警戒していた通りになった。楽天を研究した巨人情報部隊が提出した書面は、危険人物として山崎をリストアップ。最後に「威嚇されても恐れず、勇気を持って内角を攻めることが大切」との一文が添えてあった。

 だが主砲は際どい勝負に突入する前段に「そろそろ投げる球種がない。思い切ってカーブを待とう」と読み切っていた。初球、外角低め。緩いボールに体を残し、「そんなに振らないでもいいから楽」と左手1本でヘッドを走らせ、スタンドに放り込んだ。左右に美しく打ち分けた中村紀も「押し込んですくって。何も考えずミートするだけだからドーム大好き」。己の打撃に徹し抜いた自然の流れが空中戦だった。

 嶋、ルイーズが中堅方向に特大の2本を打った8回。自軍ベンチに「まじかよ」という静けさが漂うのがいつもけなげな楽天らしかった。選手を全幅信頼するブラウン監督も「ドームはオーバースイングになる傾向がある。でも各自が特長通り打てば、ライトにもホームランを打てる。交流戦でしっかり流れをつくってパの試合に戻る」と初タイトルには目もくれず、控えめに結んだ。【宮下敬至】

 [2010年6月7日9時26分

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