<巨人4-7中日>◇19日◇東京ドーム

 巨人阿部慎之助捕手(31)が4年連続、通算6度目の年間20本塁打をマークした。今季2度目の1試合2発は、いずれも打った瞬間にそれと分かる完ぺきな当たり。4回には外角のフォークボールをバックスクリーン右へ、8回には内角直球を右翼席上段へ運んだ。6月だけで8本目。ホームランキング争いトップの阪神ブラゼルに並んだ。

 巨人の日本人選手では02年の松井以来となる本塁打王を期待させるような量産ぶりにも、笑顔はなかった。肝心の試合は9回にブランコに決勝の3ランを浴びて敗れた。投手陣をリードする捕手としては反省点の多い一戦でもあっただけに、「勝てなかったからあまりうれしくない」と唇をかんだ。

 原監督は「守備の負担を考えれば、もっと楽な打順を打たせたい」と言う。だが、亀井らの不調で阿部を5番に置かざるを得ないところが万全ではないチーム事情を物語っている。この日も6番李承■が無安打に終わり、原監督は「慎之助が機能しても、その前後がね…」とため息をもらした。2位阪神が2・5ゲーム差に迫る中、阿部に求められる役割は、ますます大きくなりそうだ。【広瀬雷太】※■は火ヘンに華

 [2010年6月20日9時11分

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