<楽天3-9西武>◇10日◇Kスタ宮城

 西武2年目の浅村栄斗内野手(19)が、プロ初アーチを放った。6回に楽天山村から、Kスタ宮城の左中間スタンドに運んで大喜び。岩隈からも適時打を放ち、チーム4連勝に貢献した。大阪桐蔭高では日本ハム中田の1学年下で、絶好調の先輩にも刺激を受けた。渡辺監督と同校OBの中村にそろって「(運を)持ってる」と言わしめるスター候補の出現で、首位をがっちりキープした。

 中田先輩が10代でできなかったプロ初アーチを、大阪桐蔭で1学年下の浅村が成し遂げた。「中田さんとは同じ高校でやっていたので、負けたくない気持ちはあります。ホームランは最高です。メッチャうれしいです」。楽天ファンの悲鳴が上がる左中間スタンドに弾んだ打球を見届けると、喜びをかみしめながらダイヤモンドを1周した。

 怪物の背中を見て育った。「打ち方のタイプが違うので」と意識しないが、豪快な放物線は本家顔負けだった。4点リードの6回1死。相手はシュートの使い手・楽天山村。内角に食い込むボールに両腕をたたみ、細身の体を鋭く回転させて飛ばした。「その前に岩隈さんからタイムリーを打てたのが自信になりました。ミスを恐れず、来たボールを打ちました」。怖いもの知らずの19歳には、若さと勢いがあった。

 走攻守そろった「ポスト中島」と期待される次代のスター候補だ。7月29日に今季3度目の1軍昇格。この日は「7番三塁」で8試合ぶりに先発出場した。岩隈相手に先発させた渡辺監督は「日本を代表する投手の球を打たせたいと思った。本番で力を出すタイプだね」とうなった。指揮官が見ている前で結果を出すことが多く「浅村は持ってる」が口癖だ。実際に1年目の昨季、第1号アーチは2軍ではほとんど開催しない西武ドームで、楽天川岸から放った逆転サヨナラ3ラン。大阪桐蔭の先輩である2年連続キング中村でさえも「あいつは持ってるんですよ」と一目置く存在だ。

 課題の守備でも軽快にさばき、はつらつとした動きで2安打2打点をマークし、4連勝に貢献した。7月の初アーチから10戦6発を放った「左のおかわりくん」こと坂田と同じ入団2年目。ブレークのきざしがあった坂田は調子を落として2軍落ちしたが、首位チームにはおもしろいように頼もしい若手が出てくる。

 今どきの若者らしく、少し長めの茶髪を帽子からのぞかせる。日本ハム戦で、中田にあいさつに出向いた時には「なんや、その髪は。丸刈りにしてやろうか」と“いじられた”こともある。だが素顔は野球に対してまじめで、練習熱心。2年前の夏、甲子園では全国制覇も成し遂げた。「持ってる」男のプロ野球人生が幕を開けた。【柴田猛夫】

 [2010年8月11日9時39分

 紙面から]ソーシャルブックマーク