オリックス金子千尋投手(26)が8回途中4失点で自身初の7連勝を飾った。月間MVPを獲得した7月から投げるたびに白星と笑顔がついてくる。「連勝は意識してません。チームが勝ったのが良かったです」。3連敗に加え、9日にはコーチと選手が練習中に乱闘寸前という騒動もあったばかりで、嫌なムードをエース右腕が一掃した。

 負ければ嫌なムードになりかねない一戦で、金子千が本領を発揮した。「取ってもらった次の回に取られて申し訳なかった」。1回に2点を先制してもらいながら、その直後、松田に同点2ラン。5回もカブレラの2ランがあったが、その裏に1失点。リズムは良くないながらも、7連勝を飾るところはさすがだった。

 本人は「むだな力が入った」と反省したが、岡田監督が「6回くらいからのストレートが良かった」と目を大きくしたように中盤から最速149キロの直球が威力アップ。10三振のうち、ペタジーニ、李■浩とソフトバンクの助っ人コンビから6三振を奪ってみせた。

 9日の練習中のこと。乱闘寸前の騒動が起こった。松山内野守備走塁コーチのヤジに怒った一輝が歩み寄り、他の選手が羽交い締めで止めに入るハプニング。3連敗中だったチームには刺激的な出来事だったが、一輝は同コーチに謝罪。球団も岡田監督も両者不成敗とした。

 指揮官は博多入りした前夜に焼き肉店でコーチ陣と決起集会を開き、結束を固めた。この日の試合前には騒動の当事者2人だけの“和解ノック”が繰り広げられた。松山コーチも「(騒動で)みんなから電話やメールで携帯が鳴りっぱなしやったわ」と笑い飛ばすなど、連敗阻止へチーム一丸となった。その主役こそ、マウンドで粘った金子千だった。

 意外にもこれが福岡ヤフードーム初白星。「知ってましたが、あまり気にしてませんでした。ただ勝ってないところがあると、そのうち気になるので」。プロ1年目の06年から足がけ10度目の挑戦で鬼門を突破した。後半戦は開幕から前半戦とまったく同じ星取り状態で、今回も5連敗かという不吉な予感は3連敗で打ち砕いた。3位ロッテと1ゲーム差。再浮上のきっかけを博多でつかんだ。【押谷謙爾】※■は木へんに凡

 [2010年8月11日11時30分

 紙面から]ソーシャルブックマーク