<ヤクルト6-0阪神>◇27日◇神宮

 アニキがまた1人、球界を代表する偉人を越えた。阪神金本知憲外野手(42)が2試合ぶりのマルチ安打を記録し、「打撃の神様」と言われた川上哲治氏を抜く、プロ通算2352安打をマークした。

 5回の第2打席。たった2球で簡単に2ストライクと追い込まれたが、慌てない。続く3球目。誘いに来た外角のチェンジアップに体勢を崩されながらも、粘って最後は左腕をかぶせるように中前へ運んだ。2打席連続安打。1打席目の左前打で並んでいた「打撃の神様」を一気に抜いた。

 「一時よりも(状態は)上がっている。本来の姿からしたらもっと上がってくるんだろうけど、上り調子なのは間違いない」。ここ14試合中12試合で安打を記録。その間の打率が3割4分(53打数18安打)、リーグ最年長記録となった満塁弾を含む3本塁打、9打点と「勝負の9月」を前に調子を上げてきた主砲に、和田打撃コーチもさらなる活躍を期待した。

 15日のヤクルト戦(京セラドーム大阪)では、広島の大先輩にあたる山本浩二氏の通算安打数(2339本)を抜き、25日の広島戦(同)ではこちらも広島の大先輩にあたる「元祖鉄人」こと衣笠祥雄氏の通算打点(1448打点)を抜き去った。そしてこの日は「打撃の神様」越えと、快音を奏でる度に自身の名が球史に刻まれていく。

 そんな現状に気分が乗らないわけがない。試合前練習中には、ベンチ裏で自身のバットを握っていた弟分の新井を見つけて「勝手に触るな」と爆笑しながらいじり倒すなど、こちらも“絶口調”だった。

 [2010年8月28日11時0分

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