ヤクルトの早大OBトリオが、佑ちゃん初先発の刺客になる。小川淳司監督(53)は18日、日本ハムのドラフト1位斎藤佑樹投手(22=早大)が先発デビュー予定の20日の練習試合(名護)で、青木宣親外野手(29)田中浩康内野手(28)武内晋一内野手(27)の早大出身3選手を1~3番に起用するプランを明かした。青木が初球打ちを「予告」するなど、3人合わせてプロ通算1840安打、114本塁打の手ごわい先輩たちが、後輩の門出に全力プレーで立ち向かう。

 斎藤の先発デビューかつ国内のプロ初対戦に、ヤクルトがこれ以上ない布陣で挑む。日本ハム戦まで2日となったこの日、小川監督が温めてきたプランを明かした。「1番青木、2番田中、3番武内というオーダーになるんじゃないか」と早大OBトリオをズラリと並べる考えだ。紅白戦を含めた今季の実戦4試合で1度もないオーダーで、まさに「佑仕様」だ。

 これまでも「ファンの皆さんが楽しみにしているでしょうから」と、青木の1番起用の可能性は示していた。当初は出場が微妙だった青木だが、前日17日から実戦出場を開始し、この日は特守をこなすなど順調な調整を続けている。1~3番プランを聞くと、驚きながら「斎藤は2イニングですよね。楽しみですね」と心待ちにした。

 記念すべき第1打席。初球打ちの可能性は「もちろん。いいボールだったら初球からいきますよ」と予告。狙い球は「まだ見てないから分からない」としたが、いつも通り積極的に打ちに出るつもりだ。

 プライベートでも、斎藤とダルビッシュの会食をセッティングするなど、公私ともに面倒を見てきた。「最近は早稲田出身のプロの選手が多くなってきている。刺激になります」と言う。田中は「青木さんが5割近い確率で出塁すると思うので、きっちり青木さんを送りたい」と、ニヤリと笑って犠打予告。武内は「自分ができることをやるだけです」と集中した。

 早大時代、青木、田中、武内の3人は学年は違ったがチームメートとして、同大史上初めての4季連続優勝を達成した。斎藤にとってはあこがれの存在だ。小川監督(中大卒)は「みんな斎藤に相対したい思いはあるようだが、早稲田が最優先になる。そっくりそのまま早稲田」と、ファンが待ち望む舞台を整える考えだ。

 かわいい後輩だが、プロの先輩として、やるからには全力で打ちにいく。田中は「テレビを付けたらいつもやっている。こんなにイメージを付けやすい人はいない。新戦力ですから、研究はしてますよ」と臨戦態勢に入った。エンジの魂が染みこんだ3人の刺客が、後輩の門出に襲いかかる。【前田祐輔】

 [2011年2月19日7時40分

 紙面から]ソーシャルブックマーク