<オープン戦:中日3-8楽天>◇26日◇北谷

 沖縄コンビの活躍で、星野楽天がオープン戦初勝利を挙げた。26日の中日戦(北谷)、沖縄本島南部の町、南城市出身の西村弥(わたる)内野手(27)は安定感のある守りを見せ、打っては1安打2打点。同中部の町、北谷(ちゃたん)出身の伊志嶺忠捕手(25)は勝ち越し2点打に盗塁も刺した。東京情報大の先輩後輩でもある2人。開幕1軍そろい踏みへ、キャンプの成果を発揮した。

 県民の温かい拍手に包まれて、西村&伊志嶺の沖縄コンビが躍動した。西村は7回、同点に追い付く適時内野安打。高くたたきつけ俊足を生かした。伊志嶺は8回無死満塁の絶好機で打席を迎え、決勝の2点適時打を右前へ。持ち味の強肩で盗塁も刺した。ともに途中出場で結果を出し、チームのオープン戦初勝利に貢献した。

 共通している謙虚さ、朗らかさ、素直さは県民性も大きいだろう。西村は「ヒットは飛んだコースが良かった。たまたまです。それより、しっかりと守ることができた。それが何よりの収穫です」。北谷町出身の伊志嶺は「親族が30人くらい応援に来てくれていたんです。中学のころから何度もプレーした球場。うれしいですね。やっぱり」と、凱旋(がいせん)を果たしうれしそうだった。

 郷土が同じで、大学も先輩後輩の間柄。不思議な縁がプロの世界でも続き、今、1軍生き残りを懸けて奮闘している。オフの期間中も練習をともにする時間が長く、助け合いながら切磋琢磨(せっさたくま)している。先輩西村は言う。「伊志嶺と一緒に、開幕1軍を目指します」。伊志嶺も「西村さんと1軍入りしたい。何とかアピールを続けたいです」と呼応した。星野監督も若い力の台頭に目を細める。「若手が頑張ってくれている。楽しみだ。ケガだけには十分注意して、どんどんチャレンジしていってほしい」。沖縄コンビの挑戦が続く。【宮下敬至】

 [2011年2月27日11時29分

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