<日本ハム3-6ソフトバンク>◇5日◇札幌ドーム

 日本ハムが「勝利の方程式」崩壊で、ソフトバンクとの首位攻防3連戦の初戦を落とした。3年連続2ケタ勝利へ4度目の挑戦となった武田勝投手(33)は、6回2安打1失点と好投。しかし、中継ぎ陣が崩れて4連敗を喫した。ソフトバンクとのゲーム差は再び今季最大タイ5に突き放され、貯金も約1カ月ぶりに20を割って19に。今日6日はダルビッシュが連敗ストップ、自己最多17勝目を懸けてマウンドに上がる。

 午後8時が、悪夢への境界線だった。救援陣が2点のリードを守れず、7回に逆転を許す痛すぎる黒星。梨田監督は「救援陣への信頼?

 そういうつもりで代えたんだけど…。託したんだけどね。使った監督が悪い。(武田)勝に申し訳なかった」と責任をかぶった。首位との差を一気に縮めることをもくろんだソフトバンクとの3連戦。第1ラウンドの先に待っていたのは、連敗が4に伸び、タカの背中が、また少し遠のくという厳しい現実だった。

 何度もチームを勝利に導いてきた勝ちパターンが、崩壊した。被安打2の武田勝を6回でスパッと降板させ、セットアッパーの榊原へ。増井、武田久へとつながる、その第1歩。だが、1死から松田、長谷川に連打を浴びると、代打カブレラには外角のスライダーを中前にはじき返された。前日4日、オリックス・バルディリスに許した今季初被弾に続き、2試合連続で失点するのも今季初めてのこと。榊原は「力不足です。相手も(シーズン)終盤にきて研究してきている」と、うつむいた。

 さらに3番手でマウンドに上がった宮西も、自らの四球で招いた1死満塁のピンチで、本多に逆転の右前適時打を浴びた。1死も奪えないまま降板。指揮官は「左(打者)が続くところ。宮西で安心というのがあった」と期待したが、打球は無情にも、前進守備を敷いていた一、二塁間を抜けていった。

 8月中旬に激突した3連戦以来、約1カ月ぶりに巡ってきた直接対決。磁石の同極のようにくっつかないでいたゲーム差は、その溝を埋めるどころか、今季最大タイとなる5ゲームに広がった。エンドランを絡めた攻撃が成功するなど、光明もあったが、梨田監督は「少しそういうのもあったけど、結果、負ければ意味がない。明日、切り替えてやるしかない」。今日6日の先発はダルビッシュ。暗雲を吹き飛ばす快投を-。その右腕には、勝利以上のものが求められる。【本間翼】