ロッテ鈴木大地内野手(22=東洋大)が19日の紅白戦でプロ1号となる2ランを放った。3回2死二塁のチャンスに、中後の直球を強打。いい角度で上がった打球は右翼フェンスを越えた。「こんなに早く打てると思わなかった。ホームランバッターではないので、個人的にはそのあと2打席で四球を選べたことがうれしい」と、控えめに喜んだ。

 打った相手は変則左腕のルーキー中後。実は今までの人生で左打者から本塁打を打たれたことがなかったという。「さすが大地ですね。テレビで見ていた時から、何を待ってるか分からなかったり、苦手な打者だなとは思っていたんですが…」と賛辞を贈られた。

 ルーキー4人でただ1人の野手にして、一番のしっかり者だ。朝、球場に行く前に、遅刻防止のため、一番早く廊下へ出た選手が、他の3人の部屋のチャイムを鳴らす約束をしているが、たいがい押しているのは鈴木。普段の生活からルーキーのけん引役となっている若武者が、試合でも見せた。

 西村監督も目を細める。「打ち損じしないで、一発で仕留めたのは評価しないといけないね」。激化する正遊撃手争い。どんどんエスカレートしても困ることはなさそうだった。【竹内智信】