<日本ハム1-2ロッテ>◇24日◇東京ドーム

 ロッテのブルペンからザックザックと「金の卵」が出てくる。2勝の藤岡、1勝の中後に続き、この日はドラフト4位ルーキー益田直也投手(22)が、勝ちに等しい好リリーフでチームを首位へと押し上げた。

 1点リードの8回1死満塁。3番手としてマウンドに上がった。同学年の4番中田に対し、オール直球で勝負した。「僕は昔から知っているけど、向こうは絶対に僕のことを知らないでしょうね」と対決を楽しんだ。決め球は141キロ高め直球で捕邪飛に仕留めた。

 さらに強心臓を見せつける。続く稲葉に対しては、1ボールから2球連続内角へ直球を投げ込んだ。稲葉が得意とするコースへもひるむことなく連続ファウルでカウントを稼ぎ、最後はこん身の145キロ外角高め直球で遊ゴロに打たせて取った。「自分が抑えて目立ちたいとか欲を出さず、目の前の打者を打ち取ることだけ考えた。全然緊張しなかったです」と言ってのけた。

 今春キャンプで初のフリー打撃登板の際、西本投手コーチに「インコースへ投げてもいいんですか?」と質問したという。打者は井口と今江。主力に当てる恐怖より、打者に向かっていく姿勢の方が上回っていた。西本コーチは「阪神のコーチ時代を通じてもルーキーからこんなこと言われたのは初めて。投手にとって一番大事な要素」とプロとしての資質を評価した。

 これで早くも9試合に登板し5ホールドをマーク。「自分の勝利は全然いらないです。それは藤岡と中後に任せます。僕はチームの勝利に貢献できる仕事ができればいい」。雑草魂でチームの縁の下を支える覚悟だ。【鳥谷越直子】

 ◆益田直也(ますだ・なおや)1989年(平元)10月25日、和歌山県生まれ。市和歌山商時代は遊撃手の控えで3年夏に県4強。甲子園出場なし。阪神大学リーグの関西国際大で本格的に投手となり2年春からリーグ戦出場。全国大会は09年大学選手権と09、10年明治神宮大会で登板。最速148キロ。177センチ、80キロ。右投げ右打ち。