守道竜の3助っ人が流出危機にあることが4日、分かった。トニ・ブランコ内野手(31)、ホルヘ・ソーサ投手(35)、エンジェルベルト・ソト投手(30)は全員1年契約。球団も移籍を警戒し、CS前の決着を望むブランコとは近日中に残留交渉を行う方針。来季のV奪回に欠かせない3助っ人がライバル球団移籍となれば、緊急事態だ。

 CSを控えた守道竜に不安の種が芽生えた。ブランコ、ソーサ、ソトの3助っ人が流出ピンチにあることが判明した。いずれも1年契約。球団は3人とも契約を更新したい方針だが、交渉が決裂して11月末に提出する保留者名簿を外れれば、他球団との交渉、移籍が事実上可能となる。4番に、セットアッパーに、ローテ投手。球団首脳は「来年も活躍が望める選手ばかりだから、ちょっかいを出してくる球団もあると思う」と危機感を募らせた。

 抜けて一番の痛手は4番のブランコだ。故障離脱もあった今季は規定打席未満だが、24本塁打、65打点はチームトップ。ただでさえ得点力が低いチームだけに、4番がライバル球団移籍となれば一大事だ。

 ブランコ自身は、13日に開幕するCSファーストステージ前の“決着”を求めているという。球団も要求に応じ、レギュラーシーズン終了後の明日6日にも、残留交渉を行う方針だ。だが契約の提示は1年を基本とし、「他の選手とのバランスもある」として法外な要求には応じない構え。推定年俸1億2750万円からのアップは確実だが、複数年など好条件を引き出したいブランコと決裂する可能性は低くはない。

 ブランコは前落合政権に見いだされて来日した経緯があったが、体制が変わった今ではしがらみもない。これまで代理人を置かず、球団と直接交渉してきたが、今回から代理人を置きたい考えもあるようす。移籍も視野に入れていることをうかがわせる。

 また、テスト入団ながらセットアッパーとしてフル回転したソーサは、米球界復帰を希望しているとの情報もある。ソーサとソトには代理人がおり、本格交渉は帰国後となるが、こちらも条件提示が大きく方向性を左右しそうだ。球団は「マネーゲームはしない」との立場だけに波乱含みだ。

 3助っ人とも来季のV奪回には欠かせない戦力だ。だが1人どころか、一気に3人が退団する可能性もゼロではない。そして何より、注目はブランコの去就だ。CS決戦を前に、2年目の守道竜の命運を左右するもう1つの大一番が訪れる。

 ◆トニ・ブランコ

 1980年11月10日、ドミニカ共和国出身。99年にレッドソックスと契約。メジャー経験は05年ナショナルズの1年のみで、1本塁打、7打点、打率1割7分7厘。09年中日に入団。1年目に本塁打、打点の2冠。今季推定年俸1億2750万円。188センチ、102キロ。右投げ右打ち。

 ◆ホルヘ・ソーサ

 1977年4月28日、ドミニカ共和国生まれ。18歳でロッキーズと契約。02年にデビルレイズに移籍してメジャーデビュー。ブレーブス、カージナルス、メッツ、ナショナルズ、マーリンズでプレー。メジャー通算44勝53敗、防御率4・72。今季から中日。推定年俸は2250万円。188センチ、100キロ。右投げ右打ち。

 ◆エンジェルベルト・ソト

 1982年8月20日、ベネズエラ生まれ。99年にアストロズと契約。04年から07年までア軍傘下のマイナーでプレー。08年はメキシコリーグ、09、10年はイタリアリーグ「セリエA」に所属。メジャー経験はなし。今季推定年俸は3750万円。185センチ、96キロ。左投げ左打ち。