ノーモア後逸で正捕手奪取!
阪神梅野隆太郎捕手(23)が「練習漬け」を安芸秋季キャンプのテーマに掲げた。3日、空路で高知入りし、今日4日から本隊に合流する。打撃&守備の両面で猛練習を課す意気込みで、特に投手のワンバウンド投球の制止に力を入れる。今季終盤は鶴岡、藤井に先発を譲り、悔しい思いも味わった。秋の鍛錬がレギュラーへの第1歩だ。
シーズン終盤にかすんでしまったシンデレラボーイが、秋季キャンプを正捕手奪取の足掛かりにする。梅野は、この日から甲子園のクラブハウスで始動。無我夢中で駆け抜けたプロ1年目に満足感はない。なぜ、あの球を止められなかったのか…。捕手として責任感の強さがにじみ出ていた。
「(キャンプは)量をこなしたい。(球を)受けるほうというかワンバウンドストップとかを見直して。この1年、振り返って悔しい思いもした。やれば、うまくなると思う。量をテーマにやっていきたいです」
あまり注目されないが、今季、梅野の捕逸は0個。両リーグ通じ、規定試合数に出場した捕手ではただ1人だ。パスボールなしはセ・リーグでは79年広島水沼以来、35年ぶりで立派な記録だろう。セ新人捕手で誰も達成したことがない記録でもあった。だが、梅野には心残りしかない。7月23日巨人戦(甲子園)の9回。同点の2死満塁で能見のワンバウンドのフォークを止めきれずに後逸し、決勝点を許した。それまで5度、必死にワンバウンドを止めてきたが、最後に決壊…。敗戦に直結したワンプレーを、いまも悔いる。
今季、試合前練習では山田バッテリーコーチを相手に腰を落とし、ワンバウンド投球を体で止める動作を繰り返すのが日常的な光景だった。捕手としてのプライドがある。梅野の言うワンバウンドは通常、投手の暴投として記録される。そんな投手の失敗も、身をていして阻止する気構えだ。
開幕から1年間、1度も2軍に降格しなかった。4月の先発出場、5月の代打Vアーチ、7月の2打席連発は、いずれも阪神新人では69年田淵以来だった。だが、順位争いが激しくなると出場機会が減少。ベテランに先発マスクを譲るようになった。クライマックスシリーズは出場できず、日本シリーズも1試合、守備固めでプレーしただけだ。
「プレーして、うれしいことだけじゃない。試合に出ても悔しい思いも感じる1年だった。悔しい思いを次のシーズンに向けて、少しでも自分の課題を克服しないと先は見えてこない。1年間、すごくいい経験をさせてもらった。向上心を持ってやっていきたい」
誰にも何も言わせない存在になるために、正捕手への道を歩む。【酒井俊作】
◆7月23日巨人戦(甲子園)
後半戦開幕カードとなった巨人との3戦目。球宴を挟み4連勝中だった2位阪神は1.5ゲーム差で追う首位の巨人相手に3連戦3連勝を狙った。1回にゴメスの17号2ランで2点を先制。能見は3回に2失点したが、踏ん張り2-2のまま9回に。2死満塁のピンチで梅野は能見のワンバウンドした球を止められず1点を失いチームの連勝が4でストップ。能見は9回5安打3失点での完投負けとなった。



