<明治神宮大会:三重中京大6-4京都学園大>◇10日◇大学の部1回戦◇神宮

 有名アニメ監督と同姓同名のソフトバンク育成4位、三重中京大(北陸・東海3連盟代表)の宮崎駿外野手(4年=福井工大福井)が、同大学に「となりのトトロ」「魔女の宅急便」よろしく14年ぶりの勝利を運んだ。京都学園大(関西5連盟第2代表)戦で、3安打の大当たり。来春閉校予定の同大学のため、そしてプロ入りにはずみをつけるため、ヒットを重ねて頂点を狙う。

 巨匠に負けてはいられない。今秋ドラフト選手全83人の大トリで指名された宮崎が大当たりだ。無死三塁の初打席は先制打。8回1死二塁の第5打席は決勝点につながる右前打。6月の全日本大学選手権1回戦・大体大戦で、オリックス1位の松葉貴大投手(4年=東洋大姫路)に先制弾を浴びせた打者が、学生最後の大舞台でまた活躍した。

 スタジオジブリ創設者の宮崎駿監督(71)と同姓同名。「小学校のときは『ジブリ~』とからかわれました」と話す。1990年のうま年生まれで、両親は「駿」の字の名前を考えていた。父満さん(51)は「しゅん」と読ませるつもりだったが、ジブリ作品に触れながら青春時代を送った母裕美さん(51)が「はやお」と決断。「僕自身も『紅の豚』や『崖の上のポニョ』が好きでした」と、豚に姿を変えた飛行艇乗りポルコ・ロッソにあこがれた。

 今秋の就活では苦労の連続。2社の採用試験に失敗し、大学から紹介された業務用冷蔵庫の販売会社に決まりかけていた。野球をやめ地元・福井で会社勤めをする心づもりをしていたときに、ソフトバンクの指名が舞い込んだ。持ち味は、「となりのトトロ」のキャラクター「ネコバス」もびっくりの俊足。野球人生はまだ続く。【堀まどか】

 ◆宮崎駿(みやざき・はやお)1990年(平2)11月27日、福井県生まれ。福井工大福井3年春の県大会優勝。甲子園出場経験はなし。大学では2年春、4年春と全日本大学選手権に出場。50メートル6秒1。176センチ、70キロ。右投げ左打ち。