<東都大学野球:亜大5-0駒大>◇第6週第1日◇8日◇神宮

 ドラフト1位候補の亜大・山崎康晃投手(4年=帝京)が自身最多となる15三振を奪い、3安打で通算4度目の完封勝利を挙げた。プロ志望届を提出した当日の快投で、現役最多に並ぶ通算15勝目を挙げた。史上初の7連覇を目指すチームは駒大に快勝した。

 山崎が駒大打線を面白いように料理した。4回。初安打され無死二塁。左打者の下川にカウント1-1からスライダーを投じた。空振りさせて追い込むと、決め球にツーシームを放った。外に落ちる球にバットは空を切り、5個目の三振を奪うと、9回まで先発全員の15三振を奪った。

 先発に左打者が6人並ぶ駒大対策として、今まであまり使わなかったスライダーを活用した。「左打者は研究して踏み込んでくる。だから、内のインコースとスライダーを中心に、ベースを幅広く使うことを心がけました」と、最速146キロの直球も交え、巧みな投球術で3安打完封した。

 史上初の7連覇をかけて始動した開幕の中大戦は、8回途中5失点で降板。1回戦の先発はその時以来だった。「0点に抑えることだけを考えていました」と結果を求めた。その結果、チームの今季最下位の可能性が消滅し、駒大・今永に並ぶ通算15勝目をつかんだ。

 この日、山崎はプロ志望届を提出。スタンドでは国内10球団が熱い視線を注いだ。DeNA吉田スカウト部長は「久しぶりに見たが腕の振りが良くなった」と評価した。第6週にして今季2勝目を挙げたエースの負けられない戦いは続く。【和田美保】

 ◆山崎康晃(やまさき・やすあき)1992年(平4)10月2日、東京・荒川区生まれ。小1で野球を始め、尾久八幡中では西日暮里グライティーズ。帝京2年夏、3年春に甲子園。亜大で1年春にリーグ戦デビュー。177センチ、84キロ。右投げ右打ち。