巨人のドラフト1位、英明・松本竜也投手(18)が13日、香川・高松市内のホテルで仮契約を済ませた。契約金は7000万円、年俸は720万円(金額は推定)。高卒左腕のドラフト1位は05年の辻内以来。巨人の現役日本人では最高となる、193センチの長身から投げ下ろす最速146キロの直球が魅力だ。趣味のDVD鑑賞で10回以上見たという人気漫画「MAJOR」の主人公のように左腕に“転向”した野球人生。「三振にこだわりたい」と力強く宣言し、“メジャー”流でプロの世界に飛び込む。

 実写版“MAJOR”の誕生だ!

 松本の夢は膨らむ一方だった。仮契約後「早く1軍で活躍できるようにしたい」と心境を話し、「プロに入ってもどんどん三振をとれるようになりたい。(西武の)中村選手から直球で空振り三振をとりたいです」と、リーグは違うものの、本塁打王への挑戦に胸を躍らせた。

 野球人生の第1歩は、「左腕への矯正」から始まった。会見に同席していた父泰記さんは言う。「2歳ぐらいからボールを持たせてましたね。もともと右利きですが、右手でつかんだら、左手で投げるようにしてました。投手として育てたかったので」。泰記さんは22歳まで社会人の三菱重工三原で外野手として活躍。自らのかなえられなかったプロの夢を息子に託す形で、左腕への道が始まった。

 松本も自然と理想像を描くようになった。人気漫画「MAJOR」が大好きで、DVDで10回以上は見たというほど。主人公・茂野吾郎は、右肩を故障して左腕に転向し、メジャーリーガーまで上りつめた。茂野の最速は何キロか問われると「164キロです」と即答。熱の入れようは相当なものだった。左腕転向は自らの野球人生とも重なる。「(実際は)ありえないですけど、理想ですね」と、現実的には150キロ超えを目標とするが、直球で三振を奪うスタイルは理想型だ。

 当面は「開幕1軍」が目標だ。山下スカウト部長も「じっくり育てたいけど、意外と早く出てくるかもしれない。素材は申し分ない」と太鼓判を押す。誕生日の4月29日は、先輩となる今季最多勝左腕の内海と同じで不思議な縁もある。「内海投手のような、勝てる投手になりたい。1位に選んでもらったので、それに応えられるように頑張ります」。可能性を秘めた大型左腕が、新たな野球人生に挑む。【斎藤庸裕】

 ◆MAJOR

 94年から10年まで週刊少年サンデーで連載された野球漫画。作者は満田拓也氏で単行本は78巻発行。主人公の茂野吾郎は右投げだったが、故障で中学生から左投手に転向。高校卒業後は、メジャーリーグで活躍する。度重なる逆境を乗り越える吾郎を中心にストーリーが描かれ、現役選手らの間でも人気を博した。