日本野球機構(NPB)は1日、侍ジャパンのメンバーにソフトバンク牧原大成内野手(30)を追加することを発表した。カブス鈴木誠也外野手(28)が左脇腹痛のため、出場を辞退していた。

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どうする牧原の起用法。侍ジャパンに球界屈指のユーティリティープレーヤーが加わる。辞退した鈴木に代わり牧原を選んだ理由を、栗山英樹監督(61)は「誰が加わった時に一番幅が広くて、一番勝ちやすい形になるのか」と話した。鈴木の穴を1人で埋められないのは分かっている。ならば、現在のメンバーにプラス1で生まれる最高の形を考えた。

求める役割は多彩だ。ソフトバンクで担う中堅守備はもちろんのこと「ショートも、セカンドも、どこでも。後からでも、先からでも、どこからでも行ける。チームを動かすときに絶対的な切り札になっていく」と内野を含め、先発も、途中出場もできるとした。終盤に吉田を下げた後の外野の守備固めを任せれば、周東を代走の切り札に専念させることもできる。最初に選んだ30人には入らなかったが「そういうタイプの選手を入れておくべき、という要素には入っていた」と認めた。登録人数が限られる以上、“万能侍”の重要性は最初から頭にあった。

右打ちの鈴木に代わり、左打者を選んだ。これで大谷も含む野手16人のうち、右打ち6、左打ち10と、左打者への偏りがさらに強まった。だが、栗山監督は「それ(打撃の左右)を超えて、いい選手を選ぶべき。中心の左打者に左投手がきたからといって代えないよね。バランスがいい方がいいけど、いいバッターの方がいいに決まってる」と力説した。大きな期待を込められた“ラストサムライ”牧原のチーム合流は、5日だ。【古川真弥】