プロボクシングWBC世界バンタム級3位・那須川天心(28=帝拳)が19日、都内で自ら主催した公式ユーチューブ企画「非公式会見」に臨み、世界戦敗退やSNSで広がった批判について沈黙を破った。

9月27日、トヨタアリーナ東京で同級王者・井上拓真(30=大橋)との再戦で判定負けした1戦をあらためて振り返り、今後に向けてのテーマを掲げた。また試合直後の会見で発言した「僕の中で負けていない」「ボクシングに負けた」がSNS上で批判されたことを受け、自ら発言の真意を語った。

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-SNS批判は傷つくか

那須川 傷ついていない。ボクシングを知っていますよ、みたいな人や元選手の人たちも数字を取りたいために(いろいろ)言う。ユーチューブとか悪いと思う。今回、あの伝説のチャンピオン以外は…動物園でいうとカンムリワシ(が勝利と支持してくれた)。その発言に対し、へんなコメントがあったりとか。いち感想、いち意見が言う場所が批判、否定になっている。それをみるとボクシングを見たくないなとかなっちゃうと思う。

-那須川選手がダウンを取って負けた気がしないと発言するのは普通では

那須川 それが普通の意見だと思う。

-多くの人がそう受け止めているはず

那須川 それはそれでOKだけど、たくさんの分からず屋さんがいろいろなことを言うので。

-その何倍もの人が普通の発言だと感じているはず

那須川 本当のことを思っている人は書かないし言わない。実際、街を歩いてめっちゃ声をかけられる。試合が終わってすごい増えている。「すごい良かったよ」とか「あの判定はないよね」とか。初めて会った人なのに「応援している」だけではなく、二言、三言増えている。SNSは現実社会じゃない。社会あってのSNS。現実社会をちゃんと生きてほしい。ちゃんと生きた上でネットは面白おかしく遊ぶ場所だと。本来はそうだったと思う。会社の嫌なことのちょっとしたはけ口だったり、面白いことをネタにしたり。今は本当に悪の方向にいっていると思う。

-SNS上での誹謗(ひぼう)中傷は度を超えたものもあったか

那須川 許せないのは僕の親まで言われたり、トレーナーのこととかも。ジムを変えた方がいいとか。何を言っているのという話。あと僕の顔がキモいとか、髪形がキモいとか(笑い)。別に批判とか感想とかはいいけど、批判でオレの顔を言う必要があるのかとか。オレの態度が気にくわないとか、それを言う必要があるのか。SNSは嫌いなものを言うよりも好きなものを正直に言う場所であってほしいなと思う。

-タイ旅行(2泊3日)は雑音から逃れるため

那須川 すごくある。雑音から抜け出そうと思った。タイはずっと渋滞だったので、こっちのが雑音じゃんと(笑い)

-向こうでSNSはみた

那須川 タイでも(DMなど通知で)携帯が鳴りやまなくて。本当に充電とか(大変で)。電気代を返せよと(笑い)。わざわざ(タイ仕様)コンセントを買いましたから。タイでもやっぱ知っている人がたくさんいました。バイクに乗ったおっちゃんに「見たことある」と声をかけられて。世界共通なんだなという風に思った。

-新たに発言すれば、また批判も続く。なぜこの場を設けたか

那須川 応援してくれている人に思いを伝えられなかったなと。自分のお客さんを大事にしているので。本当に応援してくれている人たちに「ありがとうございます」と伝えられなかった。それが1番の悔やみだった。(SNS上で)いろんなことを言われていることがベースになってしまった。僕のファンは反論しないで我慢してくれている。それ自体、心が申し訳ないなと。だからこそやりました。(今回は)文句の集まりの場で僕が標的にされただけであって。次の標的ができれば、その人が傷つくことになる。標的にするのは僕だけでよろしくお願いします。会場での声援が力になったし熱かった。僕もいろんなものと戦ってみなさんに面白いことを提供していきたい。誰が何と言おうが、僕は那須川天心なので。那須川天心を貫いていきたい。

◆井上VS那須川再戦VTR(9月27日、トヨタアリーナ東京)序盤から右構えの王者井上が距離を詰めてワンツーを繰り出し、サウスポーの那須川は右ジャブから左カウンターを狙うハイレベルな攻防が展開。4回終了時の公開採点は2-0で井上が優勢。7回には那須川のワンツーでダウンを許した井上はロープ際まで追い込まれながらも何とかピンチ回避。ダメージがあるかに見えたが、8回以降も左フック、左アッパーなど手数を増やし、追い上げる那須川の反撃を振り切って3-0の判定勝利。