11日、全国で約121万人が成人の日を迎えた。角界では34人の力士が晴れて新成人となった。世間の祝福ムードをよそに、番付筆頭で西幕下7枚目の白鷹山(20=高田川)は「ハタチになった時点で成人ですから」と浮かれていない。初場所真っ最中とあり、勝負の世界に生きる新成人は土俵に集中している。

 高田川部屋では、新成人に師匠の高田川親方(元関脇安芸乃島)とおかみからオーダーメードの財布が贈られるのがしきたり。新入幕輝の付け人も務める白鷹山は、黒地に銀の文字を入れたものを注文し「輝関は金色なので、自分は渋く」と、兄弟子を意識。目標の関取昇進を見据えて「今年で決めなきゃいけないなと思う。離されたままじゃいけない。付け人も今年で卒業して、横に並べるように」と話した。

 ちょうど2年前の成人の日には、逸ノ城は幕下15枚目格付け出しでデビューし、白星で飾った。その逸ノ城はこの日、豪栄道に敗れて通算100勝を逃した。「思い通りにいかなかった」とうつむいたが、関脇まで昇進し、今では幕内上位の常連。体重は入門時の183キロから31キロも増えた。

 ハタチ力士が2年後どうなるのか、今から成長が楽しみだ。【桑原亮】