3年間以上も本場所の途中から出場し続けている力士がいる。

西序二段90枚目の佐田の城(21=境川)は19場所連続で、途中出場中。記録を見る限り、番付外に陥落することを避けるために出ているわけではない。途中出場から勝ち越した場所もある。これはどういう事情なのか。

師匠の境川親方(元小結両国)が説明する。「首のケガがあるんですよ。毎場所、2、3番休ませてから、出場を考える。治療をさせていますので、いずれ7番取らせてやりたい。心配な気持ちもあるんですよ」。医師や佐田の城の父とも相談し、体への負担を考慮しながら出場を判断している。

佐田の城は、父・山口芳浩さんと境川親方が長崎・諫早農高の同級生だったという縁で境川部屋に15歳で入門。本人はケガのことを語らない。そのため「不思議に思っている人は多いと思う」と自覚している。相撲ファンからも、なぜ途中出場が続いているのか聞かれることがあるという。

ケガを抱えているが、やる気に満ちあふれている。境川親方は「部屋でもよく体を動かして、汗をかいている。テッポウなんかは、ウチの部屋でも相当やってるんじゃないかな」と稽古場での姿勢を前向きに受け止めている。

佐田の城は「やめる気はありません。途中出場でも勝ち越しを目指します。師匠にはいつも気に掛けていただいています」と話す。母からは反対されている。しかし父からは「お前の悔いが残るならやりなさい」と力士を続ける背中を押してもらっているという。

3年前の名古屋場所からは、1番だけ相撲を取る場所が7場所続いた。2024年秋場所は2番、同年九州場所から3番、昨年の名古屋場所からは4番、今年の初場所から5番取れるようになった。

今場所は2番休んだ後から出場し、10日目に勝って2勝1敗2休。残り2番、連勝すれば勝ち越せる。目標の三段目へ向け、少しずつ、少しずつ前に進んでいる。【佐々木一郎】

心配する師匠の境川親方(2024年9月撮影)
心配する師匠の境川親方(2024年9月撮影)