暫定王者だった黒田雅之(30=川崎新田)がリベンジし、王座統一で初防衛に成功した。5度目の防衛をかけた正規王者粉川拓也(32=宮田)と昨年3月以来の再戦。前回は0-3の判定負けだったが、2-1の小差も判定勝ちで雪辱した。

 初回のゴングから両者は積極的に打ち合うと、30秒過ぎに黒田が左フックをさく裂させてダウンを奪った。この回をしのがれると、2回からは粉川のトリッキーな動きや多彩な攻撃にかわされ、5回の公開採点では0-1とリードされた。3回に左まぶた、5回には右まぶたの上もカットしたが、後半も積極的に攻めてジャブに左ボディーなどを決めた。粉川も小刻みな連打などで対抗。両者譲らずに判定となったが、黒田が小差でライトフライ級に続く2階級制覇となった。

 黒田は「ドローぐらいかと思った。10回を必死に戦うことだけを考えていた」と振り返った。ダウンを奪いながら1度逆転されたが、あきらめずに前に出た。「ちょっとはしぶとくなった。修正できる力がついている」と、以前の慎重な戦いから粘りの積極性ある戦いには満足していた。

 粉川に代わって世界ランク入りは確実になった。新田会長は「比嘉に挑戦状といきたかったけど、負けでもいい内容」と、13年以来の世界再挑戦にゴーサインとはいかず。黒田は「勝ったことよりホッとした。好きなボクシングを続けられるのが最高で楽しい」。再び世界挑戦へ生き延びたことを喜んだ。