NHK紅白歌合戦にも出場した音楽ユニット、元キマグレンのボーカルでクレイ勇輝こと榑井勇輝(36=EBISU K’sBOX)が、プロボクサーのラストファイトで初勝利はならなかった。13年11月にプロデビューは1回KO負けで、17日に37歳ボクサー定年を控えての2戦目。2戦2敗の針生(29=REBOOT)との4回戦に臨んだが、0-3の判定負けに終わった。

 榑井はガードを堅めて接近戦を挑んでいったが、相手が終始手数も多く攻勢になった。決定打は防いで右アッパー、左ボディーなどで反撃。左のストレートをクリーンヒットさせる場面もあった。採点の結果は2人がフルマーク、1人が3ポイント差の完敗も「ボクシングはすてき。今回は最後まで立ってられた。アーティストで武道館、ボクサーで後楽園ホールなんてみんな立てない。楽しかった」と笑顔で話した。

 昨年9月に右手首の腱(けん)を痛めてほとんど使えず、試合も当初の6月から1カ月延ばした。加山会長は「普通なら試合できない。どうしてもやりたいというので。それでよくやった」とほめた。さらにプロテストに2試合とも左相手。「苦手なのに」と会長を横目でにらんだ。

 ライセンスを取得した芸能人はいるが、試合をするのは極めて異例。初勝利の快挙を逃した榑井は「思い残したのは勝ちたかったこと。左ボディー一発で倒すつもりだった。ボクは勝ちを味わえなかった。勝ったら気持ちいいんだろうな。。今日でプロのリングに立てない。ボクシングロスになるかも」と2戦2敗に悔しさも募る。「頭も体も使う素晴らしいスポーツ。もう少し早く出会っていれば。おやじファイトに出るかも」と未練を口にした。