王者になっても「庶民派」です。WBA世界スーパーバンタム級王者の久保隼(27=真正)が7月31日、神戸市内の所属ジムで練習を公開した。9月3日に島津アリーナ京都で同級2位ダニエル・ローマン(27=米国)の挑戦を受ける。6ラウンドのスパーリングをこなした久保は「カウンターを取れる右手がポイント」。挑戦時は打ちにいかざるを得なかったが、サウスポースタイルから右で距離を取り、カウンターで倒す本来のスタイルで初防衛を狙う。

 ただ、質素な生活スタイルは変わらない。王者になってから最も高い買い物は4万5000円のスーツ。兵庫・淡路島でのキャンプでもレンタカーに「軽自動車を」とリクエストし「置いてません」と断られたという。自分を見失うことなくボクシングに集中する。

 「現役もいずれ終わりがくる。今の立場でしかできないことを続けられるように勝ち続けたい。海外(での試合)も」。将来的な海外進出も夢見て、まずV1をクリアする。【実藤健一】