WBO世界ミニマム級1位山中竜也(22=真正)が24日、同級王者福原辰弥(28=本田フィットネス)への世界初挑戦(27日、熊本・芦北町民総合センター)を前に熊本市内で予備検診を行った。

 対戦相手の福原には、当初自分も予定していた2月の暫定同級王座決定戦を世界ランクの関係で持っていかれた因縁がある。しかし、恨み言は一切なし。「昨年11月の東洋太平洋タイトルマッチで左目尻を切っていたから、逆に休めてよかったぐらい」。むしろ好きな夏に世界初挑戦となったことをプラスに受け止めている。

 「ベストのタイミングと思っています。あまり倒すこと(KO)は考えていません。いいパンチを当てていければ」と気負いはない。サウスポーの福原を想定し、同タイプのフィリピン王者、東洋太平洋王者らを含め、約2カ月半に渡って約160ラウンドのスパーリングを消化してきた。

 元世界3階級王者でジムの大先輩・長谷川穂積氏に「次会う時はチャンピオンやな」と激励を受け、同じくジムの先輩でWBA世界スーパーバンタム級王者久保隼には「いつも通り、楽しんでこい」と送り出された。予備検診では体温が37・6度と微熱状態だったが「いや~、そんな感じないんですけど」と不思議そう。「ナックルのサイズも、リーチも初めて測ったんで…」と初々しさを漂わせ、初の世界戦リングに飛び込んでいく。