ダブル世界戦(30日、横浜文化体育館)の前日計量が29日、都内のホテルで行われ、2度目の防衛を狙うWBC世界ライトフライ級王者拳四朗(25=BMB)がリミットまで300グラムの48・6キロでクリアした。挑戦者の同級11位ヒルベルト・ペドロサ(25=パナマ)も48・8キロでパスした。

 計量後は10月のV1戦と同じ、牛肉づくしの超高級焼き肉弁当でエネルギーを補給した。東京・西麻布にある焼き肉店「けんしろう」の特製メニューでお値段は6万4800円。前回は5万4000円で、店主岩崎健志郎さん(39)は「V2戦なのでグレードを上げました」という。

 山形・雪降り和牛のシャトーブリアン、雪室で熟成させた牛タンは前回と同じだが、今回はシャトーブリアンを使った300グラムのハンバーグ。つなぎをほとんど使わず、タマネギのみで甘みを出し、トリュフを練り込んだ。「多分、日本で一番高いハンバーグ」(岩崎さん)をほおばった拳四朗は「全然違う! 食感、甘み。肉々しいけど、柔らかい」ともん絶した。

 前日28日は過去2度の世界戦と同じ、映画とグルメ巡りのルーティンをこなした。「オリエント急行殺人事件」を見に行き、スイーツの有名店「ねんりん家」で行列に並んでバウムクーヘンを買った。

 準備は終わって、後はゴングを待つだけだ。「KOで勝って、目立ちたい。序盤からプレッシャーをかけて、中盤で倒せたらいいですね」。世界戦初のKO勝ちで、差し入れの弁当同様、グレードアップした試合を見せるつもりだ。