プロボクシングWBA世界バンタム級王者井上尚弥(25=大橋)が、自らのメインスポンサーとなるNTTぷららの板東浩二社長から全面バックアップを確約された。

 先月25日に国内最速となる世界3階級制覇を成し遂げた井上は今秋からは賞金争奪の最強選手決定トーナメント、ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)に参戦予定。日本人初のWBSS参戦を備え、6日には横浜市内の所属ジムで板東社長の激励を受けた。

 10年間無敗で、4年間王座を守ってきた同王者ジェイミー・マクドネル(英国)に挑む3日前、NTTぷららとのメインスポンサー締結が発表された。井上は「いつも以上に重圧ありました。3階級制覇挑戦という試合で、過去最強の相手。そのタイミングでスポンサー契約させていただいた試合だったので、ものすごい重圧でした」と苦笑いで振り返ったが、板東社長は「プレッシャー対応には2種類のタイプがいる。重圧に感じて本来の実力を発揮できない選手。逆にプレッシャーをかかった方が力を出しやすい選手。井上選手は後者ですよ」と頼もしそうに見つめた。

 今秋、井上は初防衛戦としてWBSS1回戦が控える。勝ちあがれば、自然と他世界王者との団体統一戦になる。同社長からは「WBSSで優勝したらもう、とんでもないすごいこと。グローバルな意味で井上尚弥の知名度が上がっていくから」と大きな期待を寄せられた。同社長によれば、今後の井上の世界戦に備え、社内に応援チームを結成。井上の好きなカラーとなる赤いTシャツでそろえた「レッド軍団」が観客席に陣取り、井上を後押しするプランがある。井上は「出るからにはしっかり優勝したいと思います」とWBSS制覇を約束した。

 異例の直々訪問となった板東社長は「(井上は)礼儀正しいし、ボクシング一筋。集中力もすごい。どこまで行くのか分からないポテンシャルがある。しかもイケメン。ボクシング界を変えたり、日本のボクシング市場を拡大していくには女性ファンが必要。イケメンの井上選手はピッタリだと思う」と日本ボクシング界をけん引する存在としてサポートし続ける意向を示していた。