ボクシングのWBO世界ミニマム級王者山中竜也(23=真正)が9日、2度目の防衛戦に向けて神戸市内のジムで練習を公開した。13日に神戸市立中央体育館で同級3位ビック・サルダール(27=フィリピン)の挑戦を受ける。ミット打ちなどで汗を流した王者は「とりあえず勝つこと。今回も『誰が見ても勝っている』ような勝ち方をしたい」といつものように冷静に意気込んだ。

 18戦16勝(5KO)2敗の山中に対し、挑戦者は20戦17勝(10KO)3敗。サルダールは15年の大みそかにWBO世界ミニマム級タイトルマッチを戦い、6回KO負けを喫したものの、王者田中恒成(23=畑中)に人生初のダウンを経験させた。そんな強敵へ、山中が抱く印象は「うまくて強い挑戦者」。相手が「山中の方が(田中より)ハードファイターだと思っている」と評したことを伝え聞くと、「そうなれるように頑張ります」と控えめに決意表明した。

 山中自身は大阪・美原西中を卒業後、神戸市内で自活を始めた“中卒たたき上げ”のボクサー。元世界3階級王者の長谷川穂積氏を育てたジムの山下正人会長も「『誰が見ても強いな』というボクサーに仕上げたい」と期待を込める。

 ミニマム級は今回の防衛戦、12月のマッチメークを想定する指名試合を経て年内で「卒業」の予定だ。同ジムによると、当日券の販売もあるといい、伸び盛りの23歳が、神戸でさらなる進化を遂げる。