ボクシングで2階級制覇したWBC世界スーパーバンタム級暫定王者亀田和毅(27=協栄)が13日、都内のジムで一夜明けて会見した。

3年ぶりの世界戦で、同級1位アビゲイル・メディナ(30=スペイン)を3-0判定で下して王座を奪回した。前半リードも中盤から反撃を浴び、左目の下などにアザも残る。サングラスをかけての会見で「疲れは今までで一、二。今はゆっくりしたい」と激戦だったことを示した。

試合後は一睡もしていないという。メキシコ、米国、フィリピンなど、世界中からもお祝いのメールが届いた。「いつもの試合後の10倍ぐらい」という量で、一晩で読み切れなかった。「試合のビデオも見ていない。今は休んで、奥さんと旅行にでも行きたい」と当分は休養に充てる。

シルセ夫人の故郷で修業先だったメキシコへ行くプランもある。「WBCはボクシングを始めた時から夢だったベルト。縁もあるし、うれしかった」。WBC本部があり、4年前に亡くなったスレイマン会長、息子のスレイマン現会長とも親交がある。世話になったお礼に墓前へ報告もしたい考えだ。

初防衛戦は来年を予定している。正規王者レイ・バルガス(メキシコ)との王座統一戦の可能性が高いが、メキシコでのアマ時代に唯一黒星を喫した相手でもある。「一番やりたかった相手。バシッと決めてリベンジしたい」と雪辱を期した。

さらに亀田は「チャンスがあれば、来年には統一戦をやりたい。お兄ちゃんたちもできなかったことだし」と、3兄弟で初の団体統一戦を熱望した。長兄興毅トレーナーは結局実現せず、次兄大毅トレーナーは13年に実現も判定負けで陥落している。

興毅トレーナーは「この階級があっているし、まだ伸びシロがある。亀田家初の統一でベルトをまとめてもらいたい」と期待する。大毅トレーナーも「兄2人で4団体のベルトはとったが、和毅には1人で4団体をとってもらいたい」。亀田家最後のとりでに大きな夢を託した。