初代タイガーマスクの宿敵で、米国WWF(現WWE)でも活躍した英国人の元プロレスラー、ダイナマイト・キッドさんが、60歳の誕生日の5日に亡くなった。同日、英国メディアが伝えた。死因は不明。

キッドさんは、75年に17歳でプロデビューした英国で頭角を現し、カナダ、米国に進出。WWFで活躍した後、81年4月23日に蔵前国技館で行われた初代タイガーマスクのデビュー戦の相手を務めた。タイガーの空中殺法と、キッドさんの筋骨隆々の体から繰り出される厳しい攻めで、場内は静まり返った。その後、キッドさんとタイガーの抗争は当時の新日本プロレスの看板カードとなった。

キッドさんはその後米国や全日本で活躍。96年のみちのくプロレス両国大会が、日本での最後の勇姿となった。引退後は、86年にカナダでの試合で痛めた椎間板の故障や、現役時代にステロイド剤などを使用していた影響もあり、車いす生活を送っていた。

訃報を受けて初代タイガーマスクの佐山サトルは「私にとって偉大なライバルだったトミー(キッドさんの愛称)が亡くなり、悲しみに暮れています。最近の様子は知っていたので、覚悟はしていましたが、今は、安らかに眠っていただきたい」と話した。佐山が主宰するリアルジャパンは、今日6日の後楽園大会で追悼のセレモニーを実施する。