新日本プロレスのジュニアの象徴、獣神サンダーライガーが7日、都内の事務所で会見を行い、来年1月の東京ドーム大会(4、5日)をもって現役引退することを発表した。

ライガーは、6日の大田区大会で、石森太二のIWGPジュニアヘビー級王座に挑み敗れていた。ライガーは「昨日の試合を通して、自分にはもう伸びしろがないなと感じた。今まで培ってきたテクニックなどはいくらでも生かせるが、伸びしろはないと感じた。ベルトを取ってもやめるつもりだった。東京ドームという場所を用意してくれた新日本には感謝しています」と話した。

また「仮に(昨日の試合で)ベルトを取っても引退を発表しようと考えていました。勝ち逃げです。レスラーに対する美学ですが、まだできるのに何でやめるの? っていうのがボクの中にあったので、引退を決断しました」と言い、「平成が終わるとともに引退ってカッコよくね?」と笑いを誘った。

ライガーは、変身前の山田恵一として高校卒業後にメキシコ修業中に、山本小鉄に認められ新日本に入団。84年3月3日にデビューした。その後、89年4月の東京ドーム大会で、アニメ「獣神ライガー」とのタイアップ企画で、獣神ライガーとして覆面デビュー。その後、獣神サンダーライガーと名前を変え、現在に至っている。

170センチと小柄ながら無類の練習熱心さと努力で、覆面に負けない華麗なプロレススタイルを作り上げ、海外でも絶大な人気を誇る。国内の他団体とも積極的に交流し、94年にはジュニアのオールスター戦とも言える第1回スーパーJカップ開催を実現。自身も95年と00年に優勝している。

IWGPジュニアヘビー級王座は11回戴冠。04年にはノアのGHCジュニアヘビー級王座も獲得した。15年7月にはWWE傘下のNXT大会に新日本所属選手として史上初めて参加。タイラー・ブリーズに勝利するなど、日本のジュニアの第一人者として、世界にその名をとどろかせた。

最近は、17年に新日本のジュニアの祭典、ベスト・オブ・スーパージュニアからの卒業を発表。覆面デビュー30年となる年に、区切りをつけた。

 

◆獣神サンダーライガー 1989年(平元)4月24日、永井豪宅生まれ。同日、東京ドーム大会での小林邦明戦で、獣神ライガーとしてデビュー。同5月、馳浩を破り、IWGPジュニアヘビー級王座初戴冠。以来、99年までの11度の戴冠は史上最多記録。95年、00年にはスーパーJカップに優勝。04年にはノアのGHCジュニアヘビー級王座も獲得。海外ではWCW世界ライトヘビー級王座、CMLL世界ミドル級王座なども獲得した。170センチ、95キロ。得意技は垂直落下式ブレーンバスター、掌底、ロメロ・スペシャル。