ボクシング2団体統一バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が、1922年創刊の米老舗専門誌「ザ・リング」選定のパウンド・フォー・パウンド(全階級を通じた最強ランキング)で日本人初のトップ3入りを果たした。16日(日本時間17日)に最新ランクが更新され、井上が4位から3位に浮上した。今月7日、5階級制覇王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)とのワールド・ボクシング・スーパーシリーズ決勝で、2回に右眼窩(がんか)底など2カ所の骨折を抱えながら判定勝ちした結果を反映させた。

「ザ・リング」公式サイトによると選定に関して長い議論が続き、意見も割れたものの、選考者数人が「100%の主導権を握れない時に井上がどう対応するかの疑問に答えた。負傷と厳しい相手を勝ち抜いて優勝した。井上が最高だ」と1位に推す声もあったという。

◆パウンド・フォー・パウンド(PFP) ボクシングの全階級を通じた最強ランキング。1944~60年代にミドル級などで活躍し、日本で「拳聖」と呼ばれるシュガー・レイ・ロビンソン(米国)をたたえる造語として誕生。その後89年にPFPランクを導入した。日本人では元WBC世界バンタム級王者山中慎介や元WBA世界スーパーフェザー級王者内山高志もトップ10入りしている。現在はESPNやボクシング専門サイトなども独自のPFPランクを選定する。