メインのアジアタッグ選手権で、イタリアから単身修行中のフランシスコ・アキラ(21)が前3冠ヘビー級王者宮原健斗(31)と組み、王者の“ヤンキー二丁拳銃”こと宮本裕向(37)、木高イサミ(38)組に挑戦したが、敗れた。コロナ感染で苦しむ故郷イタリアにベルト初戴冠で吉報を届けたいというアキラの思いはかなわなかった。

アキラは持ち前のスピードに体重増でパワーを備えてこの一番に臨んだが、二丁拳銃の巧みな連係に何度も翻弄(ほんろう)された。宮原の好アシストでチャンスもあったが、最後は2人から集中攻撃。木高の勇脚・斬を浴びた後、宮本に全体重で押しつけられ3カウントを奪われた。

試合後、アキラは肩を落としながら、パートナーの宮原に日本語で「ごめんなさい」。そんなアキラを宮原は「ネクストチャレンジ!」と勇気づけた。宮原は「こういう状況の中で違う国にいるということ自体、ぼくはすごくリスペクトしている。おれがその立場だったら、自分の国に帰りてぇと思うし。その中で、仕事といえどプロレスをやっている。なにかきょうのアキラの戦いに、ぼく自身もまだまだこれから先、もっと夢を持ってプロレスをしたいなと思いました」と熱弁。元王者も異国で修行に励むアキラから刺激を受けた。