プロレスリング・ノアの無観客試合が14日、AbemaTVで配信され、メインのGHCヘビー級選手権で王者潮崎豪(38)が斎藤彰俊を豪腕ラリアットで下し、2度目の防衛を果たした。

前日13日はノア創設者三沢光晴さんの命日。亡くなった11年前のこの日、潮崎は三沢さんとタッグを組み、斎藤は最後の対戦相手だった。試合では2人の三沢さんへの思いが交錯した。斎藤は強敵潮崎に対し、パワーボム、スイクルデスと技をたたみかけ、三沢さんに最後にかけた技、バックドロップを決める。受けとめた潮崎は攻めに転じ、ローリングエルボーから、三沢さんの技、エメラルドフロウジョンをさく裂。立ち上がった斎藤に豪腕ラリアットを打ち込み、29分で勝負を決めた。

試合後、先にマイクを手にした斎藤は「ベルトはお前を選んだ。負けはしたけど、一言だけ言いたい。シオ、ありがとう。負けたけど次に進むよ。最高のチャンピオンだよ。ありがとう!!」と絶叫。潮崎とかたく握手をかわし、リングを去った。

リングに残った潮崎は去る斎藤の姿を見ながら「斎藤彰俊、斎藤さん! 6月に、そしてこの日にあなたとこのベルトをかけて戦えたこと誇りに思います。魂感じました。ありがとうございました」と感謝を口にした。潮崎は1月に清宮から王座を奪取。以来、新型コロナウイルスの影響で興行ができない状況となり、無観客テレビマッチで2度タイトル戦に臨んだ。潮崎は画面の向こうの視聴者に向かって「ノアには魂のこもった戦いがあります。その魂を消さないよう、このリングは今後も、これからもずっと動き続けていきます。画面の向こうのみんなノアを、ノアを見ていてくれ!このリングにはノアの選手、潮崎豪がいる。アイアムノア」とメッセージを発信。異例の状況下で変わらず試合を続けてきたことに胸をはった。

さらにバックステージでは「斎藤とやったからこその(ベルトの)輝きを持てました。このベルトを守って、みんなと笑顔で会場で会いたいと思います」と観客の前での試合を心待ちにした。ノアはこの日、7月18日の後楽園ホール大会を有観客で行うことを発表。4カ月ぶりにファンの目の前で戦いを見せる。