9日にK-1スーパーバンタム級王座を返上したばかりの武居由樹(24)が13日、プロボクシング転向を明らかにした。

13日、東京・両国国技館で開催されたK-1 WORLD GP両国大会(日刊スポーツ新聞社後援)のリングに立ち、正式表明した。WBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(27)が所属する大橋ジムに入門する。武尊と“2トップ”でK-1軽量級をけん引してきたハードパンチャーが、ボクシングで世界王者を目指す。

リング上で武居は「1年前からケガや(新型)コロナ(ウイルス)のことで自分と向き合い時間があり。新しい夢、新しい目標が見つかりました。ボクシングでも世界王者になることです」と表明。さらに11月から通っている大橋ジムでプロデビューすることを明かし「世界3階級制覇王者の八重樫(東)さんの指導を受ける最高の環境でトレーニングしています」と報告した。

昨秋、武居が所属するPOWER OF DREAMジム古川誠一会長の指導方針に興味を持った大橋秀行会長が同ジムを訪問。武居は大橋会長との交流を続けていた。新たにボクシング転向の夢を目指した本人が古川会長を通じ、大橋ジム加入を願い出たという。プロテストを経て、来春にはデビューする予定。階級は井上尚弥、拓真兄弟と同じバンタム級になる見通しだ。

武居は17年4月、第2代K-1スーパーバンタム級王座決定トーナメントで優勝して同級王者に就いた。18年にはK-1アウォーズ(年間表彰)で最優秀選手を受賞。19年にはスーパーバンタム級世界最強決定トーナメントでも優勝を果たし、K-1同級の最強を証明してきた。また東京・足立区で問題児だった武居が古川会長のもとで鍛えられ、更生していく姿がフジテレビ系列で放送される「ザ・ノンフィクション」で取り上げられていた。

◆武居由樹(たけい・よしき)1996年(平8)7月12日、東京・足立区生まれ。10歳の時、同区のPOWER OF DREAMの古川誠一会長の自宅に住み込み、キックボクシングの練習を積む。都立足立東高時代はボクシング部に所属。14年11月、K-1傘下のKrush47大会でプロデビュー。16年6月、初代Krush-53キロ(53キロ以下)級王座を獲得。17年には第2代K-1スーパーバンタム級王座決定トーナメントを制覇し、同級王座を獲得。17年のK-1年間表彰で最優秀選手に選出された。19年のK-1スーパーバンタム級世界最強決定トーナメントも全3戦KO勝ちで優勝した。170センチ、55キロ。キック通算戦績は23勝(16KO)2敗。